こんにちは。
利用者です。
今回は、近隣の小学校で「出前授業」をした体験について記します。
テーマは「アートと環境」です。
【目次】
1.きっかけ。
2.ご依頼内容。
3.一生懸命に悩みました。
4.当日の授業スタートです。
5.解体から最終処分までの廃棄物の流れ方を説明しました。
6.プラモデルのリサイクルと昆虫スクラップアート。
7.畳の中のスタイロフォームと減容した塊も。
8.「箱アート」を自由に見学。
9.生徒さんからの厳しい質問に汗。
10.富山就労継続支援A型事業所 コラーレ富山
1.きっかけ
7月末に「再生アート(箱アート)」の展覧会を開催しました。
その際のブログ→「再生アート(廃棄物アート)」その24 ~展覧会の光景~
この展覧会に近隣の小学校、富山市立新庄北小学校の先生がお越しになりました。
先生と芸術について雑談していましたところ、話は環境問題に移っていきました。
先生が仰るには、
「環境意識を生徒に持ってほしいのですが、自分たちが具体的にやれることって何かなと悩んでいる生徒もいます。
どのように教えたら良いのだろうかと私自身が戸惑っています。
ちょうど学校の近くで廃棄物を使ったアート展覧会があると聞きつけて今回来ました」。
生徒さんへの教育方法を常に考え、何にでもご関心を持たれるご発想に驚きました。
報道等で小学校の先生方はご多忙と聞いていましたので、せっかくの休日にもかかわらずお越しいただいたことに感謝です。
そして、展覧会から2カ月後。
先生からエイキソーシャルワークに突然ご連絡がありました。
「本学の授業で、『再生アートと環境』と題して出前授業をしていだだけないか?」とのご依頼です。
「はい、喜んで話させていただきます」とお答えしました。
2.ご依頼内容
電話で先生に詳細をお尋ねしますと、こんなお答えをいただきました。
・対象は、富山市立新庄北小学校4年生3クラス、約100名です。
・『総合的な学習の時間』という授業の中における出前授業です。
・30分が私の話で10分が質疑応答、合計40分程度です。
・テーマは、「再生アートと環境」についてです。
・パソコンと教材提示装置は、小学校で準備します。(←さすが今どきの小学校ですね)
・生徒が身近なこととして環境をとらえてくれると良いので、
「再生アート」を作ったきっかけや、どんな気持ちで作っているかをお話しください。
3.一生懸命に悩みました。
先生と電話でお話をしてから、授業当日(11月1日)まで1カ月間、悩みに悩みました。
・何を話せばいいか?
・4年生にでも分かりやすく話すには、どうしたら良いか?
・弊社の解体と分別の役割を30分で知ってもらうには、どんな工夫が必要か?
考えすぎて頭が痛くなった瞬間、ひらめきました。
・環境についてややこしいことを語るのはやめよう。
・解体中の家と工場の写真を見せよう。
・「再生アート」の実物を100個持っていって観てもらおう。
こう考えると、気持ちが急に楽になりました。
4.当日の授業スタート。
11月1日早朝。
新庄北小学校に着きますと、これが立派な校舎。
オシャレでIT企業かデザイン系の大学みたいです。
展覧会でお会いした時はカジュアルなお服の先生でしたが、今日は濃紺のスーツ姿。
緊張感!百倍になりました。
ホールのような立派な教室にはパソコンと教材提示装置がすでに準備されていました。
広いテーブルを5台お借りし、さっそく「再生アート」と「スクラップアート」を並べました。
そして5分後、各クラスの生徒さんが順に入室。担任の先生方数名。
100名の前でスタートです。
(画像引用→「新庄北小学校のホームページ」の11月月1日ブログ)
5.解体から最終処分までの廃棄物の流れ方を説明しました。
まずは、「解体→ゴミ→分別→処理・処分→リサイクル・埋め立て」の図を見てもらいました。
これです。
(中間処理施設と最終処分施設については、小学4年生の理解度を考えて一緒にしましたが、分けて図示したほうがよかったかなと後で思いました。)
次は、弊社が手掛けた「工場の解体現場写真」を見てもらいました。
最後は、廃棄物を分別する弊社ヤード写真です。
教材提示装置の写真を切り替えるごとに、うわーという歓声。
日ごろ自分たちが働いていることを褒められているようで恥ずかしいやら嬉しいやら。
6.プラモデルのリサイクルと「昆虫スクラップアート」
プラモデルの枠(ランナー)とバンダイの新聞広告を見てもらいました。
これです。
(読売新聞20211020朝刊を撮影)
「アッ、ガンダムだ!」。
生徒さんたちの声があがりました。
バンダイがプラモデルの枠(ランナー)を回収してプラモデルの材料にリサイクルし始めた話をしました。
そして、作成途中で廃棄されていたプラモデルの部品を利用して作成した生物を披露。
ほとんどが元はガンダムの部品です。
これです。
さらに、金属系廃棄物で作った生き物も紹介しました。
最初の二つ、でんでん虫とヤドカリは身近な部品で作られていたせいか、生徒さんは目をクリクリされていました。
制作秘話など、詳しくは次の「スクラップアート」ブログをクリックください。
→その1「廃棄物で作るアート『スクラップアート』カマキリ編」
→その3「廃棄物で作るアート『スクラップアート』殻を持つ生き物編」
7.畳の中のスタイロフォームと減容した塊も。
最後は、畳の中のスタイロフォーム(発泡スチロール)、および減容器で小さくしたスタイロの塊を見てもらいました。
これです。
「おばあちゃんところで畳を見た!」との生徒さんの声が聞こえました。
最近は、全室フローリングのお家も増えつつあるのかもしれませんね。
発泡スチロールの減量器につきましては、次のブログを。
そして、減容された発泡スチロールで成形した作品も。
→「「再生アート(廃棄物アート)」 その4 ~新作、できました~」
8.「箱アート」を自由に見学。
このテーブルの周りを自由に歩いて観てもらいました。
9.生徒さんからの厳しい質問に汗。
ここまでは、順調、順調、エヘヘ。
!(^^)!
ところが、生徒さんとの質疑応答に入りますと、内心しどろもどろでした。
ざっくばらんな質問内容なのですが、実は正鵠を射た質問ばかりなのです。
・「『解体前に近隣の方へご挨拶に行く』とのことですが、もし隣の方から「解体は騒音が出るから許さない」と言われたらどうするのですか?」
・「再生アートやスクラップアートを作ることは、環境問題解決の役に立ちますか?」
・「作品を作っている時は、どんな気持ちですか? 何時間で完成しますか?」
・「作品をどのような機会を通して皆に知らせますか?」
その他、合計10個くらいの厳しい質問攻めにあいましたが、質問内容については半分くらいしか今となっては思い出せません。
よほど緊張していたのでしょうね。
恐るべし、新庄北小学校の4年生の皆さん!!!
自分の頭で考え疑問に思ったことを自分の言葉で表現できるなんて、実に立派です。
厳しい質問には、大人の知恵(?)を駆使しながらも誠実に答えたつもりです。
日本と地球の将来は明るいと思いました。
授業の後半は、校長先生と教頭先生がお越しいただきました。
授業後は、校長室で美味しいお茶をご馳走になり、何人もの先生方に見送られて学校を後にしました。
ご熱心でご誠実な先生方、目をらんらんとさせ話を聞いてくださった生徒さん、
良い機会をお与えいただきありがとうございました。
これからの仕事と作品作りの励みになりました。
10.富山就労継続支援A型事業所 コラーレ富山
(法人名)
一般社団法人 eiki social work
(設立)
平成26年6月
(利用者数)
12名(令和2年4月末)
(事業所名)
就労継続支援A型事業所「コラーレ富山」
(事業所番号)
1610101550
(利用定員)
20名
(事業内容)
福祉サービス業
障がい者自立支援法におけるA型事業所
(サービス内容)
産業廃棄物の分別・各種工具等のメンテナンス・PC関連など
(所在地)
〒930-0996 富山県富山市新庄本町3丁目1-13
(アクセス方法)
バス 向新庄口下車 徒歩3分
(電話番号)
076ー452ー3899
(FAX番号)
076ー452ー4025
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