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焼き物の技法「貫入(かんにゅう)」とは
2025.11.15
こんにちは。株式会社エイキ(EIKI Inc.) リサイクル事業部です!
今回は焼き物についてのお話です。
陶器や磁器を手に取ると、表面に細かなひび模様が見えることがあります。
それは、ひとつの器が長い時間と火の力を経て生み出した“景色”。
焼き物の世界ではそれを「貫入(かんにゅう)」と呼びます。
一見するとヒビのようですが、それは欠陥ではありません。
むしろ、炎と土と人の手が偶然に織りなした、焼き物ならではの美の表情なのです。
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■ 貫入とは?

貫入とは、陶磁器の釉薬(うわぐすり)の部分に生まれる、細やかな亀裂模様のこと。
焼き上げたあと、素地(本体)と釉薬が冷めていく速さにほんの少しの差が生じ、そのわずかな「ずれ」が表面に線を刻みます。
まるで器が呼吸するように生まれるその模様は、自然が描いた一本の詩のよう。
同じ形の器でも、ひとつとして同じ貫入はありません。
日本では古くから、茶の湯の世界でこの「ひび」を“景色”として愛でてきました。
人の手では決して計算できない偶然の模様。そこにこそ、静かな美が宿るのです。
■ 貫入が生まれるまで

焼き物は高温の窯で焼かれるとき、釉薬が溶けて器の表面を包み込みます。
やがて炎が静まり、温度が下がると、釉薬と素地はそれぞれ異なる速さで冷えていきます。
この冷め方の“違い”が、やがて釉薬に細やかな亀裂を刻み込みます。
陶器は磁器よりもやわらかく、釉薬との伸縮差が出やすいため、貫入が入りやすい。
逆に磁器は高温で焼かれるため、より滑らかで貫入が少ないのです。
焼き上がった直後にはほとんど見えないその線が、使い込むうちに少しずつ浮かび上がり、しっとりとした表情を見せていきます。
まるで、器そのものが時間を記憶しているかのように。
■ 貫入の美しさと、育てる時間
貫入の魅力は、時とともに深まるところにあります。
たとえば白い釉薬の器では、お茶やお酒の色素が少しずつひびに染み込み、模様がくっきりと姿を現します。
この変化を「染み景(しみけい)」と呼びます。
最初は控えめだった器が、年月を重ねるごとに味わいを増し、世界でひとつの景色を描いていく。
それはまるで、人と器がともに歳を重ねていくような時間です。
“使いながら育てる”——そんな静かな楽しみを教えてくれるのが、貫入という存在なのです。
■ 貫入とリサイクルの視点から
株式会社エイキ リサイクル事業部には、日々たくさんの陶磁器が持ち込まれます。
その中には、貫入が美しく入った器も少なくありません。
中には「ヒビが入っている」と思われる方もいますが、それが作家が意図した技法であることも多いのです。
貫入は欠けや割れとは違い、使う上で問題がなければ再び誰かの手に渡ることができます。
近年では、貫入のある古い器を“時間をまとった芸術”として再評価する動きも見られます。
アンティークの世界でも人気が高まり、海外のコレクターたちからも注目を集めています。
■ まとめ
貫入は、炎と土、そして偶然が描く焼き物の詩です。
そのひび模様には、職人の技と、長い時の流れが静かに息づいています。
株式会社エイキでは、そうした伝統技法の美を大切にしながら、器の新しい命をつなげる活動を行っています。
あなたの手元にある器にも、もしかすると、そんな“時間の文様”が宿っているかもしれません。
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