2022.11.14
「再生アート(廃棄物アート)」その30 円球と自由。
秋空さん、皆さま、こんにちは。
紅葉さんも、ありがとう。
富山の解体会社、エイキです。
久しぶりに、弊社のヤードを歩き回りました。
ヤードには、建物を解体した工事現場から出た不要物がたくさん集まってきます。
これらの不要物を材料ごとに分別し、リサイクル会社や処分業者に引き継ぐのもエイキの大切な役割です。
木は木、金属は金属、紙は紙、プラスティックはプラスティック、ガラスはガラスに分別し、各置き場へと運びます。
不要物には、何に使われていたかが分かる物もあれば、用途や機能が分からない物もあります。
瞬時に何者か分かる物体よりも、「得体のしれない廃物探し」が心ときめくのです。
今回は、三種類の円球をヤードで見つけました。
この三つを作品として再生しましたのでご紹介します。
【目次】
1.「取り込み装置」・・・世界を受け取り、自分なりに出力する。
2.「浮球」・・・一度、慣習との紐を取り払ってみる。
3.「動と静」・・・・枠組みを超えて。
4.再生アートとは?
5.「再生アート(廃棄物アート)」今までのブログ一覧
1.「取り込み装置」・・・世界を受け取り、自分なりに出力する。
丸い物体をヤードで見つけた時、大き目の聴診器のように感じました。
この円、鏡のように周囲が広角に写るのです。
近づくと自分自身の顔も写ります。
ですので、まず最初はロックバンド「ユーライアヒープ(原題:Uriah Heep)」の「 Look at Yourself(邦題:対自核)」のイメージを作品で描きたいと思いました。
当時、中2病だったので、「対自核」、すなわち「自我意識」に戸惑っていました。
実は、今も「本来の自分とは???」と考えることがあるのです。困ったものですな。
(ユーライアヒープは、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルやキングクリムゾンと並び称された1970年代のブリティッシュロックバンドです)
YouTube動画→「1973年武道館のライブ」(Uriah Heep – Look At Yourself Live In Budokan 1973)
以下は、完成作品です。
写真の下部の円は、上部の円とは別素材です。
同じ大きさの円を重ねるのは、構図的にいかがなものかと迷いました。
しかし、周囲を写す円とそうでない円を組み合わせることで、何ごとにも2面性があることが表現できるのではと期待しました。
私は、左右対称の物体が好きです。
特に工業製品。
工業製品に倣って、最初は大きな円二つと小さな金属を左右対称に並べたのですが、つまらない印象になりました。
そこで、小さな金属をバラバラに配置することで、操作機械のツマミのようになりました。
頭にひらめいたタイトルは、「取り込み装置」。
何を取り込むのかと申しますと、上部の円に写る世界全部を取り込むのです。
装置の操作次第で、取り込んだ世界を自分流に表現できます。
換言しますと、取り組んだ世界をどのように加工し表現するかは、各人の想像力に委ねられることになります。
2.「浮球」・・・一度、慣習との紐を取り払ってみる。
ヤードで球を見つけた瞬間、嬉しかったですよ。
箱の奥行きにピッタリの大きさだったからです。
球を見つけた瞬間、完成作品が頭に浮かんできました。
「空に浮く球体」のイメージです。
アドバルーンみたいなイメージです。
でも、アドバルーンは紐で地面と結ばれています。
なんか、自由でない!
もっと、気ままに宙に浮かばせたい!
球だけを箱に置くことも考えました。
でも、それでは球そのものが強調されてしまいます。
宙に浮かび漂う球らしくないのです。
球は球として存在するのではなく、光や風や空気とともに存在していますから。
そこで、小さな金属片を下部に加えてみました。
風の流れや空気の寒暖差で漂う「球の動き」が表現できたかと思います。
3.「動と静」・・・・枠組みを超えて。
木材置き場で見つけたこの丸い廃材を活かしたいと思いました。
最初に作ったのは、下の画像のような構図。
この構図は、金色と黒色が、平等の関係に見えました。
さらには、デザインとしてのマークのように見えますね。
時には、花札のようにも。
(「花札」って英語で何というのか気になり、調べましたら「Japanese playing cards」または「Hanafuda」でした)
そこで、黒と金の素材に色彩以外の意味を持たせました。
黒は輪郭。いわば機能です。
金は力。機能を超えるエネルギーです。
と考えながら試行錯誤してできたのが次の作品です。
金紙と金属との接着には苦労しました。
三種類の接着方法を試しました。
その結果、一番一般的な接着剤に落ち着きました。
木と紙を支える金属。
この組み合わせが気に入っています。
4.再生アートとは?
※「再生アート」とは
解体現場から当社エイキに集まってきた解体副産物(廃材・廃棄物)。
この廃材だけで作るアートを「再生アート」と名付けました。
解体は、一般的には次の順序で進みます。
1.建物を解体する。
2.排出された解体副産物(廃材・廃棄物)を収集する。
3.素材ごとに分別する。
4.リサイクルできない物は中間処理(減量化)をした後に最終処理(焼却・埋め立て)する。
5.リサイクルできる物は資源再活用する。
6.解体で生まれた更地は、再活用する。
不要になった物を作品という形に再生することで、物が持つ存在感に気づいていただきたいという願いから、日々再生アートを作成しております。なお、「再生アート」の中でも、定まった大きさの箱にアートを閉じ込めたのが「箱アート」です。
※
建物を解体する弊社エイキの役割は、「あるもの(存在)」を「なくする(無)」ものではありません。
未来のために有意義な土地を新たに「生み出す(再生)」ことだと思っています。
「再生アート」も、廃棄物を作品として再生させたいという思いで作成しております。
5.「再生アート(廃棄物アート)」今までのブログ一覧
ご興味を持たれましたタイトルをクリック願います。
・再生アート その1 あらゆる物から作り出されるアートをエイキが試作
・再生アート その2 分別世界を撮る
・再生アート その3 物質の群れ はく奪された意味
・再生アート その4 新作、できました
・再生アート その5 宇宙からのメッセージ、ただいま受信中
・再生アート その6 Inspired by the movie ‘Arrival’, We created a message receiving device from the universe in Japan.
・再生アート その7 箱アート:音楽を封じ込める
・再生アート その8 箱アート:新作展示
・再生アート その9 箱アート:黄色を基調
・再生アート その10 箱アート:時代/文芸
・再生アート その11 箱アート おもちゃ箱
・再生アート その12 箱アートを作る手順は2通り
・再生アート その13 箱アート:野球シリーズ
・再生アート その14 箱アート:夏の終わりの新作
・再生アート その15 箱アート:組み合わせの妙
・再生アート その16 箱アート:素材についてと新作
・再生アート その17 箱アート:梅雨の新作
・再生アート その18 箱アート:創作体験に参加した
・再生アート その19 箱アート:TV放映と秋の新作
・再生アート その20 箱アート:冬の新作
・再生アート その21 箱アート:春の新作
・再生アート その22 エイキのロゴマーク特集
・再生アート その23 展覧会のお知らせ
・再生アート その24 ~展覧会の光景~
・再生アート その25 箱アート~秋の新作~
・再生アート その26 出前授業で、小学生に「アートと環境」を語る。
・再生アート その27 勝興寺での展示とワークショップに参加しました。
・再生アート その28 創作魂復活→希少3作品。
・再生アート その29 制作過程をご紹介します。
・再生アート その30 円球と自由。
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